8畳の和室をフローリングにリフォームする際、フローリング材の選定やデザインに目が行きがちですが、実は「下地」の工事が費用や仕上がりに大きく影響することをご存知でしょうか。畳を撤去した後の下地の状態によっては、予想外の費用が発生したり、工事が長引いたりする可能性があります。このコラムでは、8畳和室のフローリングリフォームにおける下地費用に焦点を当て、注意すべきポイントを解説します。 畳の下地は、一般的に根太(ねだ)と呼ばれる木材が組まれ、その上に畳が敷かれています。しかし、長年の使用や湿気の影響で、根太が腐食していたり、シロアリの被害を受けていたりするケースが少なくありません。このような場合、既存の根太を撤去し、新しい根太を組む「根太組み替え」工事が必要となります。この工事は、通常のフローリング張り替えに追加で数万円から十数万円の費用が発生することがあります。 また、和室の床は、一般的にフローリングの床よりも低い位置に作られています。そのため、畳を撤去しただけでは、隣接する洋室との間に大きな段差が生じてしまうことがあります。この段差を解消するために、「下地上げ」と呼ばれる工事が必要になります。木材などで下地を上げて高さを調整するのですが、この作業にも費用がかかります。段差をなくすことは、バリアフリーの観点からも重要であり、つまずきによる事故を防ぐことにも繋がります。 さらに、下地が不均一な場合も注意が必要です。フローリングは平らな下地の上に張ることで、きしみや浮きを防ぎ、美しい仕上がりになります。もし下地が歪んでいたり、一部が沈んでいたりする場合は、「下地補修」や「レベリング(水平調整)」といった工事が必要となり、ここでも追加費用が発生します。これらの下地工事を怠ると、せっかく張ったフローリングがすぐに傷んでしまったり、歩くたびに不快な音がしたりする原因となるため、決して手抜きはできません。 フローリングリフォームの費用を正確に把握するためには、事前の現場調査で下地の状態をしっかりと確認してもらうことが不可欠です。複数のリフォーム会社から見積もりを取り、下地工事の内容とその費用が明確に記載されているかを確認しましょう。不明な点があれば、納得がいくまで質問し、隠れた追加費用が発生しないよう注意することが、賢いリフォーム計画の第一歩です。
フローリングリフォームの落とし穴!8畳和室の下地費用に注意