内壁のひび割れ補修でコーキング材を使う際、「きれいに直せるか心配」と感じる方は多いでしょう。確かに、ただ埋めるだけでは補修箇所が目立ってしまい、かえって美観を損ねる結果になることもあります。しかし、いくつかの秘訣を知っていれば、コーキングでひび割れを美しく、まるでなかったかのように直すことが可能です。このコラムでは、プロのような仕上がりを目指すためのコーキング補修の秘訣をご紹介します。美しく直すための最大の秘訣は、「事前の準備を徹底すること」にあります。特に重要なのが「マスキングテープの活用」です。ひび割れの両側に、コーキング材がはみ出さないように丁寧にマスキングテープを貼ることで、直線的でシャープなラインを作り出すことができます。テープを貼る際は、ひび割れと平行になるように注意し、壁面にしっかりと密着させることがポイントです。このひと手間が、プロと素人の仕上がりの差を生みます。次に、「コーキング材の選び方」も重要です。内壁のひび割れには、乾燥後に塗装が可能な水性アクリル系または変成シリコーン系のコーキング材を選びましょう。塗装することで壁の色と馴染ませることができ、補修箇所が目立たなくなります。また、塗料の乗りが良い、つや消しタイプのコーキング材を選ぶと、より自然な仕上がりになります。コーキング材を充填する際は、「均一な量をゆっくりと」押し出すことを意識してください。焦って一気に押し出すと、ムラができたり、大量にはみ出してしまったりする原因になります。コーキングガンの先端をひび割れに当て、一定のスピードで引いていくと、きれいに充填できます。ひび割れの中にしっかりと材が入り込むように、気持ち多めに盛るのがポイントです。充填後の「ヘラによる仕上げ」も非常に重要です。ヘラを使う際は、力を入れすぎず、壁面と平行になるように軽く滑らせるイメージで余分なコーキング材を取り除きます。この時、ヘラを一定の角度で保ち、一方向に滑らせることで、なめらかな表面に整えることができます。ヘラの代わりに、指に水や中性洗剤を薄く塗って撫でる方法も、しっとりとした仕上がりに有効です。最も重要なのが「マスキングテープを剥がすタイミング」です。コーキング材が完全に乾燥する前に、そっと剥がしましょう。乾燥後に剥がすと、コーキング材も一緒に剥がれてしまったり、きれいに切れなかったりすることがあります。
内壁ひび割れ、コーキングで美しく直す秘訣