内壁のひび割れ補修にコーキング材を使用する際、どのような種類のコーキング材を選べば良いのか、迷ってしまうこともあるでしょう。ホームセンターには様々な種類のコーキング材が並んでおり、それぞれ特徴が異なります。このコラムでは、内壁のひび割れに適したコーキング材を賢く選ぶためのポイントと、それぞれの特徴について解説します。 まず、内壁のひび割れ補修で最も一般的に使用されるのが「水性アクリル系コーキング材」です。このタイプは、水性であるため臭いが少なく、作業中に手や道具に付着しても水で洗い流せるという利点があります。また、乾燥後には上から塗装が可能なので、壁の色に合わせて塗装することで、補修箇所が目立ちにくくなります。弾力性も適度にあるため、軽微なひび割れや、壁の動きに追従させたい場合に最適です。費用も比較的安価で、DIY初心者の方にも扱いやすいでしょう。 次に、「変成シリコーン系コーキング材」も内壁のひび割れ補修に適しています。こちらは耐久性や接着力に優れ、湿気にも強いという特徴があります。水性アクリル系と同様に乾燥後に塗装が可能な製品が多く、広い範囲のひび割れや、より強度を求める場合に選択肢となります。ただし、水性アクリル系に比べて費用はやや高めであり、臭いも若干強めな製品もあります。 一方、「シリコーン系コーキング材」は、浴室などの水回りによく使われますが、内壁のひび割れ補修にはあまりおすすめできません。最大の理由は、乾燥後に塗装ができない製品がほとんどだからです。透明や白などの色が限定され、壁の色と合わせることが難しく、補修箇所が浮いて見えてしまう可能性があります。また、一度施工すると剥がすのが難しいという点も、内壁には不向きな理由の一つです。 コーキング材を選ぶ際は、これらの特性を理解した上で、ひび割れの種類や場所、そして「補修後に塗装するかどうか」を考慮することが重要です。一般的には、塗装を前提とする内壁のひび割れには水性アクリル系か、塗装可能な変成シリコーン系が適していると言えるでしょう。製品パッケージの表示をよく確認し、ご自身の用途に合ったコーキング材を賢く選んでください。