集合住宅であるマンションにおいて、網戸取り付けを行う際には、戸建て住宅とは異なる特有の注意点が存在します。まず大前提として理解しておかなければならないのは、マンションの窓やベランダのレール部分は、多くの場合「共用部分」に該当するということです。そのため、勝手に見た目が大きく変わるような網戸を設置したり、サッシに穴を開けるような工事を行ったりすることは、管理規約で制限されている場合があります。網戸取り付けを計画したら、まずは管理規約を確認するか、管理組合に相談することがトラブルを避ける第一歩となります。特に景観維持が厳しいマンションでは、網戸の枠の色や網の種類まで指定されていることもあります。実際の設置において、マンション特有の課題となるのが「高層階の風圧」です。十階以上の高層階になると、地上付近とは比べものにならないほどの強い風が吹くことがあり、標準的な網戸取り付けでは風に煽られて網戸が脱落してしまう危険性があります。そのため、マンション用の網戸には、レールから外れないための強力な「外れ止め」金具が必須となります。また、最近の分譲マンションで見られる、外側に押し出すタイプの滑り出し窓には、室内側に設置するロール式やアコーディオン式の網戸が適していますが、これも枠の内側にぴったりと収まるサイズを選ばなければなりません。自分で設置する場合は、室内側の額縁の寸法を正確に測り、設置に必要なスペースが確保されているかを確認する必要があります。もしDIYに自信がない場合は、マンションの構造を熟知した専門業者に網戸取り付けを依頼することをお勧めします。プロであれば、既存のサッシに干渉せず、かつ気密性を損なわない最適な製品を提案してくれます。また、ベランダのない窓への設置では、落下の危険を避けるために室内から全ての作業が完結するタイプを選択することも重要です。網戸は生活の質を高めてくれる便利な設備ですが、マンションという共同生活の場においては、安全性と規約の遵守が何よりも優先されます。ルールを守りつつ、確実な方法で網戸を取り付けることで、都会の喧騒の中でも心地よい風を感じられる快適な空間を手に入れることができるでしょう。
マンションでの網戸取り付けで注意すべき規約と設置方法