耐震リフォームと聞くと一軒家のイメージが強いですが、分譲マンションにおいても、専有部分の工事を通じて地震への備えを強化することは可能です。マンション全体の構造的な補強は管理組合が主導する大規模修繕の範囲になりますが、個人の部屋の内部でも、万が一の際の安全性を高める工夫は多岐にわたります。まず、マンションのリフォームで最も重要なのは、重い家具の転倒を防ぐための下地補強です。壁を新しく作り直す際に、あらかじめ壁の内部に合板を入れておくことで、背の高い本棚やテレビボードをネジでがっちりと固定できるようになります。これにより、突っ張り棒などの簡易的な対策よりも遥かに強力な転倒防止策となります。また、間仕切り壁を新設したり変更したりする際には、軽量鉄骨や木材の枠組みを強固に連結し、部屋の中に「安全な箱」を作るような感覚で補強を行うことも有効です。さらに、古いマンションで見られるガラス入りの建具を、飛散防止加工が施されたものやアクリルなどの割れにくい素材に変更することも、避難経路の確保という観点から非常に重要な耐震対策となります。キッチンなどの水回りリフォームにおいても、地震の揺れを感知して自動で扉にロックがかかる耐震ラッチを標準装備することで、食器の飛散を防ぎ、怪我のリスクを最小限に抑えられます。専有部分の工事には管理規約による制限がありますが、信頼できるリフォーム会社と相談しながら、構造に影響を与えない範囲で最大限の安全策を講じることが大切です。マンションは堅牢に見えますが、室内の家具の移動や窓ガラスの破損は、一軒家と同様に大きな脅威となります。内装のデザインを一新する機会に、こうした目に見えない安全対策を随所に盛り込むことで、安心感のある都会の暮らしを実現できます。住まいを単なる箱としてではなく、自分と家族を守る盾としてアップデートする視点が、これからのマンションリフォームには欠かせません。
マンションでも可能な耐震リフォームの内容と専有部分での工事の工夫