最近では、自宅を自分好みに改装するDIYが流行しており、和室の畳を剥がして自分でフローリングを張ろうと考える方も少なくありません。確かに、ホームセンターで材料を揃えれば、業者に依頼するよりも費用を大幅に抑えられる可能性があります。しかし、和室のフローリング化は、壁紙の張り替えなどに比べて難易度が非常に高く、専門的な知識と技術を要する作業であることを覚悟しなければなりません。最大の難所は、床の不陸、つまり水平を正確に出す作業です。古い家の和室は、長年の自重や地盤の変化によって、床が微妙に傾いていたり、波打っていたりすることがよくあります。畳の上では気づかなかったこうした歪みも、硬いフローリングを張ると顕著に現れます。そのまま施工してしまうと、歩くたびに床がギシギシと鳴るキシミの原因になったり、最悪の場合、床材同士の継ぎ目に隙間ができたり、盛り上がってきたりすることもあります。水平を出すためには、レーザー墨出し器などの精密な測定器具を使い、根太と呼ばれる下地木材をミリ単位で調整しなければなりません。この工程を疎かにすると、完成後に大きな後悔をすることになります。また、道具の準備も意外と大変です。電動丸ノコやインパクトドライバー、フロア釘を打つための専用の工具など、普段使い慣れない道具を安全かつ正確に扱う技術が求められます。さらに、畳の処分も大きな負担です。一枚あたり二十キログラムから三十キログラムもある畳を数枚運び出し、自治体のルールに従って適切に廃棄するだけでも、多大な労力が必要となります。もし、仕上がりの美しさや耐久性、そして何より安全性を重視するのであれば、やはり経験豊富なプロに依頼するのが賢明です。どうしても自分で挑戦したい場合は、まずは六畳一間の小さなスペースから始め、事前の情報収集と準備を徹底的に行うべきでしょう。見よう見真似で始めてしまい、途中で収集がつかなくなって業者に泣きつくことになると、かえって高くついてしまうケースも少なくありません。
和室の床を自分で張り替える際のリスクと注意点